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48話 帝国を支える皇女の責任感

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-11-08 06:00:16

 純粋な疑問を投げかけるシャルロッテに、ユリシスは悲しそうに微笑んだ。

「普通は、そうなのですが……レスニー王子は、自分が気に入ると、人でも物でも自分のモノにしたくなる方で、かなり強引で手段を択ばない方なので……恐いのです」

「それは……上に立つ者ですと危険ですわね」

 ミリアは、王女としてその言葉の持つ意味を察し、冷静に分析するように言った。

「うわぁ……最低ですわね……そんな王国イヤですわぁ~」

 シャルロッテは、ユリシスの言葉に、心底嫌そうな表情を浮かべた。三人の王女の間に、レスニー王子に対する不信感と警戒心が、静かに満ちていった。

 シャルロッテが、心底嫌そうな顔で、ミリアに話し掛けた。

「お姉様がお助けになられては?」

 その言葉に、ミリアは小さく頷く。

「そうですわね……そんな方が国王になられては、民が可哀想ですし、帝国の支配国なのですから、帝国の恥になってしまいますわね」

 ミリアは、王女としての責任感とプライドを滲ませながらそう言った。その言葉に、シャルロッテはさらに表情を険しくする。

「同じ帝国を支える王国の王女としても恥ずかしいですわっ。わたしも助力いたしますわ」

 シャルロッテは、ぷくっと頬を膨らませて、まるで拗ねた子供のように可愛らしく怒っている。その表情に、ミリアは目を丸くして驚いた。

「シャルロッテも同行するつもりなのですか?」

「えぇ~? ダメなのですか?」

 シャルロッテは、少しだけ不満げな顔でミリアに問い返した。

「国王の許可が出ないでしょ?」

 ミリアは冷静に現実を突きつけた。国王が、溺愛しているシャルロッテを、そんな危険な任務に同行させてくれるとは思えなかった。

 シャルロッテは、ミリアの言葉に怯むことなく、むしろ、目を輝かせた。

「大丈夫ですわっ。ユウヤ様とお姉様が、ご一緒ですからっ♪」

 その言葉には、二人が一緒なら、どんな困難も乗り越えられるという、絶対的な信頼が込められていた。ミリアは、そんなシャルロッテの純粋さに、呆れたような、微笑ましいような表情を浮かべた。

「ユウヤ様がお連れになったので……わたしが勝手に追い返す訳にはいきませんから、同行するのならばユウヤ様と国王の許可を自分でお取りになって下さいよ」

 ミリアは、逃げ道を残すようにそう言った。その言葉に、それまで不安そうにしていたシャルロッテは、許可を取る自信があるのか、一気に笑顔になった。

「はぁい♪」

 その間、ユリシスは二人のやり取りを黙って見守っていた。自分のために、他国の王女であるミリアとシャルロッテが、こんなにも真剣に考えてくれているとは思っていなかった。

「えっと……レスニー王子を、どうにかして頂けるのですか?」

 ユリシスの声は、驚きと戸惑いが混じり、少し震えていた。彼女の瞳には、希望の光が宿り始めていた。

 ユリシスの問いかけに、ミリアは少しだけ呆れたような、しかし優しいまなざしを向けた。

「話をお聞きになっていなかったのですか?」

「あの、えっと……聞いていましたが、宜しいのでしょうか?」

 ユリシスは、まだ信じられないといった様子で、恐縮したようにミリアに尋ねた。

「帝国の支配国で好き勝手にされては困りますからね。そういう方はキツく注意をして差し上げますわ」

 ミリアは、凛とした表情でそう告げた。その言葉に、ユリシスは、これまでずっと一人で抱え込んでいた恐怖から解放されたかのように、安堵の息を漏らした。

「有難う御座います。ミリア様」

 ユリシスは心からの感謝を伝えた。その顔には、ようやく本来の彼女の穏やかな表情が戻っていた。

「では、明日の午後には、この王国を出ようと思いますので、各自準備をして下さい。特にシャルロッテは、同行をするのであれば、国王とユウヤ様の許可を必ずお取りになって下さい」

「分かってますわ。お姉様♪」

 まるで遠足に行く前の子供のように、シャルロッテは、わくわくした表情で返事をした。

「ホント……貴方はユウヤ様が仰る通り……可愛いオーラだけですわね」

 ミリアは、そんなシャルロッテの姿を見て、呆れたような、しかし微笑ましいといった複雑な表情でそう言った。その言葉に、シャルロッテはムッとした表情でミリアに言い返した。

 シャルロッテは、ムッとした表情でミリアを見つめた。

「ヒドイですわっ。ユウヤ様は、褒めてくださいましたよっ!」

 その言葉に、ミリアは本当に分からないといった様子で、小首を傾げた。

「わたしも褒めているつもりですけれど?」

 ミリアは悪気なくそう言った。その言葉を聞いて、シャルロッテはため息をつき、諦めた表情になった。

「褒めているようには聞こえませんよぉ~お姉様……」

 二人の和やかなやり取りを、ユリシスは少しだけ羨ましそうに見ていた。

「シャルロッテ王女はミリア様と仲が本当に宜しいのですね」

「それは、小さい頃から一緒に遊んでいましたからね」

 ミリアは、ふんわりと微笑んだ。

「そうなのです。わたしにとって、本当にのお姉様ですわっ♪」

 シャルロッテが自慢げな表情でユリシスに言うと、ミリアも頷きながら、それを認めた。

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